[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:BLOOD HUNT(2024)#3

邪悪な暗雲を晴らすために集う超人たち!

この世界から消えかけている正義の光を示せ!!

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

[あらすじ]

ヴァンパイアへの対抗策を求め、“至高の魔術師”の住まうサンクタム・サントラムへと集うミッドナイト・ミッション、スパイダーマン、そしてアベンジャーズ。道中でブラッド・コヴンに襲われていたブリエル・ブルックスとドラキュラ伯爵を救出し、反撃へ乗り出さんとするヒーローたち。

しかし、「闇」の力は彼らの希望を啄まんとその攻勢を強める。吸血鬼化したティ・チャラ、そしてマイルズを救う手立てはあるのだろうか…。

マイルズが変貌した時を同じく、宇宙へと拠点を移したブレイドは捕らえたかつての仲間たちと言葉を交わす。俺が齎す「闇」にはお前たちの願いを叶えるだけの力がある。そう称えるブレイドに、魔女は彼を取り巻く力に警告を送るが…。

[RAISE UP]

ドクターストレンジにブラックパンサー、そしてスパイダーマン。世界にその名を轟かすスーパーヒーローたちがブレイド1人の手でその手にかかり、異形たるヴァンパイアへと変えられてしまった。マーベルでは超人たちが怪物に変貌すること自体は珍しくはない。マーベル・ゾンビーズは勿論、超人だけでなく市民まで変貌したマキシマム・カーネイジおよびアブソリュート・カーネイジなどはその1例だ。しかし、ゾンビ化は不可逆的かつ「そういう話」であることを念頭に置き、カーネイジ化は他者の助けがあれば(個人差はあれど)簡単に解くことができることで一線を引いていた。今回のヴァンパイア化は現状、治療する術はない。それはかつて同じ境遇に置かれたジュビリーの物語が示している。

ヴァンパイアへと姿を変えた者の多くは闘争本能を刺激され、血への渇望を滾らせる。それに加えてブレイドが与えた暗示によるものか、ブリエルの抹殺を遂行せんとその殺意を高めてしまう。ブリエルを目の当たりにしたマイルズが豹変したのも、この暗示が原因。昂る殺意の衝動はヴィジョンを電撃で吹き飛ばし、クレアが放った「サイトラックのクリムゾン・バンド」の拘束術をも力ずくで破らんとする程だ。幸いマイルズの暴走は“至高の魔術師”の術で収まったものの、マイルズ本人は自分に起きた異変に愕然とするばかり。こうなるのも無理はないだろう。

この事態に憤りが爆発させるブリエルだが、彼女は未だに事件の首謀者を知らない。この事実に驚くアベンジャーズや“至高の魔術師”は伯爵を詰め寄るが、ブリエルの実の父親が世界を混乱に陥れたとは中々言えないだろう。観念したように彼女に真相を話す伯爵の苦虫を嚙み潰したような表情に管理人も気が沈みそうになる。

自分に戦う術と目標を与えた父は、世界の敵となった。彼を「狩る」ことができるのは血縁たるブリエルだけ。そう語る伯爵だが、ブリエルが信じられる筈もない。

敵対した者には一切の情けも容赦もなく、ターゲットを狩るハンター。冷酷、冷徹、冷血。ヴァンパイアだけでなく今や人間たちからも恐れられるブレイドにとって弱点となるのが愛娘とは、なんたる因果か。この現実にヒーローとして戦い始めたばかりのルーキーであるブリエルには到底受け入れることができず、激情のままにサンクタム・サントラムから去ってしまう。だが、今は戦う時だ。彼女をマイルズと伯爵に任せて、ヒーローたちは再びそれぞれの舞台で戦うことを選ぶ。

ミッドナイト・ミッションはダークフォース・ディメンションの魔力を打ち払うための切り札を使うために、クレアの魔術で何処かへと飛ぶ。ではアベンジャーズは?ここで待つだけ?そんなことはない。彼らには彼らの戦いがある。世界へ呼びかけること。それがシンボルであり「アイコン」の役目だ。

世界を照らす「光」は揺ぎ無き信念と正しき心の在り方が齎す。この大役を果たすことができるのは“キャプテンアメリカ”サム・ウィルソンに他ならない。

ありふれた日常を奪われ、地上には死を運ぶフリークスが蔓延り、ヒトの居場所など何処にもない。こうしている間にもヴァンパイアたちの勢力は拡大を続け、ダークフォース・ディメンションの力は地球だけでなく宇宙にまで進行している。しかし、だからこそヒーローたちは立ち続ける。邪なる者たちに「アベンジ」するために。アベンジャーズは決して屈しない。相手がヒドラでも、あるいはヌルやギャラクタスであってもだ。

彼らは己を奮い立たせ、力なき人々に「光」を示すために悪を討つ。そして、今回もきっと勝ってみせる。静かに、かつ堂々と世界へ宣言するサムの姿にはキャプテンマーベルだけでなく読者も震えたことだろう。かくいう管理人も「キタキター!」とテンションぶち上りだったしね。

キャプテンアメリカの演説が終了し、作戦立案者であるキャプテンマーベルも呆気に取られながらも感嘆するしかない。これでティ・チャラが命をかけた意味を果たせたのか、と自信なさげなサムとそんな「彼ら」の働きを我が事のように誇るトニーの姿が印象的。

 

しかし、この事態にブレイドは激怒する。せっかく地上から奪った光が再び齎さんとしているからだ。アベンジャーズが抵抗するのはブレイドも予見していた。曲がりなりにも彼はアベンジャーズの一員だったのだから、その「諦めの悪さ」はよく理解している。勝利を目前としながらも、それを挫かれては王の名折れ。ブレイドは確実な勝利を掴むために奥の手を使う…。

「お前たちの誰もが見たことのない祝福を与えてやる」

暗雲を突き抜けて空の彼方から落ちてきたのは、いったい!?