[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:BLOOD HUNT(2024)#1

夜の帳が下りる時、地上はヒト非ざる者たちの楽園と化す。

ヴァンパイアたちの侵攻を阻止すべくアベンジャーズをはじめとしたヒーローたちが立ち上がるが…。

 

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[あらすじ]

地球上に存在する「闇」を操る者たち。彼らの死が地球を照らす太陽の光を遮る暗闇を齎した。アベンジャーズをはじめとする地球最強のヒーローたちがこの異常事態に警戒を強めるが、そんな彼らを嘲笑うかのように「奴ら」は牙を向き、人々を襲い始めた。ヴァンパイア。ヒト非ざる者たちは憎き太陽が姿を消したことを喜び、生き血を求める。瞬く間に世界中に勢力を拡大させる彼らを抑え込むために、各々のやり方で徹底抗戦を貫く超人たち。しかし、彼らが心に抱くちっぽけな「光」などヴァンパイアは容易く飲み込んでしまう…。

スカーレット・ウィッチが所属するアベンジャーズにハンターズ・ムーンとティグラのコンビ「ミッドナイト・ミッション」が守護するニューヨークに迫る異形の脅威。

悍ましき「闇」の力が眩い「光」を包み始める。

[THE BLOODIEST]

突然だが、当ブログの管理人がダークヒーローが大好きであることは読者の方々は既にご存じのことだろう。ゴーストライダーパニッシャー、スーペリア・スパイダーマン。マンシングや(まだブログ内では紹介できていない)ムーンナイト、モービウス、ヴェノム、etc。光あるところに影がある、とはよく言ったものだが正統派なヒーローたちではできないこと、独特な魅力がダークヒーローにはたくさんある。それは管理人の最推しヒーローの1人であるブレイドにも当てはまる。

クロスオーバーイベント「ブラッドハント」はそんなブレイドたちヴァンパイアにスポットが当てられた意欲作。メインライターに「デス・オブ・ドクターストレンジ」「アベンジャーズ(2023)」でお馴染みのジェド・マッケイを起用した本シリーズは、他作品を巻き込んだ壮大なストーリー展開で発表当初から話題を呼んでいた。マーベルユニバースにおいて良くも悪くも地味な印象が拭えないヴァンパイアを主軸に置き、アメコミでは珍しいグロ規制、俗にいう「R指定」が設けられているという意味でも注目されていたものだ。

そんな本作はのっけからクロークやブラックアウト(ゴーストライダーヴィランとは別人)といった「闇」を操る超人たちの死と力の暴走から始まり、彼らから齎された暗闇が地球上を覆い、潜伏していたヴァンパイアたちが一斉に蜂起する。怪物たちに成す術なく蹂躙される人々と、ヒト非ざる者たちに懸命に抗う超人たちの姿が読者のハートを掴むのは想像に難くない。

ラトヴェリアに迫るヴァンパイアたちを魔術の結界で撃退するドクター・ドゥームに雷の剣を以て孤軍奮闘するマイルズ・モラレス。勿論アベンジャーズやミッドナイト・ミッションもそれぞれの舞台で死闘を演じていた。そんな彼らの姿を我らが「ヴァンパイア・ハンター」は暗闇から注視していた。

 

ブレイドはヴァンパイアたちの異様な猛攻を観察し、これを打開する策を考案する。バラバラに戦えばいずれジリ貧となる。そうなる前に一丸となって打って出る。盟友であるブラックパンサーを頼りにアベンジャーズの全メンバーを彼らの基地に集めさせるブレイドだが、集合場所にブレイド当人の姿はない。またいつもの「ヒーローは遅れてやってくる」なカッコつけか、はたまた、これまたテンプレな半裸で敵に捕らわれているのか。怪訝に思うアベンジャーズ(と管理人)だが、そこにブレイドが乗る装甲車が現れる。だが、車から降りてきたのはブレイドではなかった。

あまりにも禍々しく、異様な姿をした彼らは自分たちを「ブラッド・コヴン」と名乗り、アベンジャーズに戦いを挑む。彼らを遣わしたのは一体何者なのか⁉

ブラッドストーム・ワン率いる彼らの力は、突然の襲撃者の出現に浮足立つアベンジャーズを圧倒。ファルコン改めキャプテンアメリカの戦闘技術も、スカーレット・ウィッチの魔術もアイアンマンのテクノロジーも、全てが通用しないのだ。ブラッド・コヴンは特別な吸血鬼であり、彼らの力の源はヒーローたちが得意とする力そのもの。戦えば戦う程にブラッド・コヴンは力を増していく。まさに対アベンジャーズ専門部隊というべき恐るべき存在だ。

このまま戦えば全滅は必至。ソーもスカーレット・ウイッチも倒れ、残った仲間たちを逃がすことを優先したブラックパンサーは独り、ブラッドストーム・ワンに挑む。だが、力の差は決死の覚悟で埋まるものではなく…。

アベンジャーズの意志を絶やすな。生き残った仲間たちをワープ装置で転送させ、凶刃に倒れるティ・チャラ。サム・ウィルソンは友の名を叫ぶことしかできなかった。

 

護るべき人々が次々に喰われ、ヒーローたちも倒れていく。マーベルユニバースにおいて大型クロスオーバーイベントではこういった「死」は半ばお約束となっているが、その過程はいつもドラマチックで見応えがある。敵の強大さに敵わないと理解しながらも、仲間と地球を守るために犠牲となったブラックパンサーの姿には目頭が熱くなったものだ。

だが、悲劇はまだ終わらない。いやさ、まだ始まったばかりだ。

マイルズの前に現れ、アベンジャーズに招集を出したブレイドは、今度はドクターストレンジの元を訪ねる。“至高の魔術師”は弟子兼妻のクレアと共に、サンクタム・サントラムにてヴァンパイアたちの脅威を打ち払う術を模索していた。2人が求めた方法はダークホールドにあった。闇の魔術書“ダークホールド”に記された禁断の秘術「モンテ―シ・フォーミュラ」を行使すれば、地上に蔓延るヴァンパイアたちは悉く一掃されるというのだ。

なんて都合の良いかつ限定的な魔術なのかと感嘆してしまう管理人だが、ブレイドはストレンジたちの魔術を静止する。目の前に迫る脅威を排除するには強大な魔術を行使するのが手っ取り早いだろうが、事件の黒幕を討つことは難しい。ブレイドの言い分は尤もだ。彼はストレンジよりもヴァンパイアに詳しく、この異変の詳細を把握している筈だから。“至高の魔術師”はブレイドの助言に従い、黒幕の詳細を訪ねる。しかし、その黒幕の正体は…。

太陽の光を奪い、ヴァンパイアたちを地上に解き放ち、アベンジャーズをも打ち倒した。その全てを裏で操っていたのは、ブレイドだった!彼の刀がストレンジの心臓を貫く!いったいどうしたというのだ、エリック⁉