[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:AMAZING SPIDER‐MAN(2015)#10

スパイダーマンvsスコーピオ

パリを舞台に2人の男たちが火花を散らす!

 

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

フューリーと共に宇宙へ飛び、遂にスコーピオの居所を掴んだスパイダーマン。単独での大気圏突入という荒業で地球へ戻ったスパイダーマンが向かう先はフランスはパリ。しかし、宿敵が来ることを察知したスコーピオは部下たちの静止を無視して、スパイダーマンとの決着を付けることに固執する。蜘蛛男1人に遅れを取っていては世界を支配することなど夢のまた夢。

果たして怒りに燃えるスコーピオスパイダーマンは倒すことができるのだろうか。

大気圏突入のダメージから回復する暇を与えず、スコーピオスパイダーマンへ攻撃を仕掛ける。しかし、こんな窮地はもはや馴れたもの。軽口を叩きながらも確固たる信念の元に、敵を倒す。今こそ“大いなる責任”の真価を見せる時だ!

[Power Play]

世界中を混乱に陥れ、あまつさえパーカー・インダストリーズの技術をテロ活動に利用したスコーピオ。そんな彼にスパイダーマンことピーター・パーカーが怒りの感情を抱くのは当然の結果だった。パーカー・インダストリーズは最大の宿敵であり最高のライバルから受け継いだ財産であり、その技術は世界中の人々のためにあるもの。断じてテロ組織の私欲のためにあるのではない。ピーターはゾディアックの構成員の命を奪うことは良しとはしなかったが、彼らの目的を叩き潰すことには一切の躊躇は見せない。卑劣な悪党には決して屈さない。“親愛なる隣人”として歩んだ軌跡が、ボロボロのピーターの背中を後押しする。

だが、スコーピオはそんな“親愛なる隣人”を嘲笑する。非情な判断ができない甘ちゃんでは私を倒すことなどできない、大したヒーローごっこだ、と。スコーピオスパイダーマンの内情を良く知っているようだが…。

わざと市民を攻撃し、それを自らの体を犠牲にしてでも庇うスパイダーマンを侮蔑するスコーピオ。このクソ野郎が。しかし、部下たちから離脱を促されたこととヒーローの盾になろうとする市民の妨害により、悪党は撤退を余儀なくされる。

あくまでもスパイダーマンを倒すことに執念を燃やすスコーピオにとってこの展開は屈辱的だっただろう。あと一歩というところまで追い詰めておきながら、計画のために見逃さざるをえなかったのだから。部下の進言に悪態をつきながらも、スコーピオは逃走を図る。だが、怒りの感情は状況判断能力を鈍らせるもの。スパイダーマンが咄嗟に打ち込んだトレーサーの存在に気付けなかったのだ。

自分を庇ってくれたパリ市民たちに礼を伝え、パーカー・インダストリーズ製のフライングカーで駆け付けたアナマリアとブレインと共に、スコーピオを追うスパイダーマン。短い描写だが、傷だらけのスパイダーマンを気遣いながらも、悪党を倒そうと奮起するヒーローを激励する市民たちの姿が管理人の印象に残っている。ワールドワイドに活躍するスパイダーマンは、世界中の人々にとっての“親愛なる隣人”なのだと語っているようだから。

アナマリアと協力してスコーピオ英仏海峡トンネルを通るユーロスターに乗り込んでいることを突き止めたピーターは、ブレインから提供された予備のスーツに着替えてスコーピオを追う。ブレインがスパイダーマンの正体を知っていることに疑問を感じるピーターだが、今はそれどころではない。急いでスコーピオを止めることの方が先だ。それはアナマリアにいい所を見せようとするブレイン=オットー・オクタビアスにとっても同じこと。

2人の協力を得たスパイダーマンだが、列車から乗り出したスコーピオの奇襲を受けてしまう。負けじと蜘蛛糸を放つものの最高時速300kmの風がそれを無効化してしまう。奴はウェブシューターの弱点も知っていた。それにしてもスコーピオはイギリスに何の用があるのだろうか?また大英博物館に襲撃をするつもりなのか。

 

スコーピオの攻撃からアナマリアたちを守ることを優先したために、再び取り逃がしてしまったスパイダーマン。しかし、ここで諦める訳にはいかない。奴を野放しにすればもっと多くの人たちが傷つくのだから。血気に逸るピーターだが、そこにブレインから待ったをかけられる。スコーピオが向かう先が分からない以上、闇雲に突っ走るのは愚策。何のために宇宙まで行ってハッキング工作をしたのか考えるべきだ。ブレインの理にかなった指摘に頭を冷やしたピーターは、ハッキング中にスコーピオ大英博物館から盗み出した「ゾディアック・グランド・オーラリ―」が何処に移動していたのかを突き止めていたことを思い出す。場所はパリの住宅街にあるオフィスビル。そこに行けばスコーピオが向かう先のヒントがあるかもしれない。

仲間たちと共に急行するピーターだが、そこはピーター自身がよく知っている人物のオフィスだった。ヴァ―ノン・ジェイコブ。パーカー・インダストリーズの事業に協力する投資家。彼こそがスコーピオの正体だったのだ。またパーカー・インダストリーズに敵が潜んでいたことに呆れてしまう管理人だが(ピーターはもう少し社員や契約相手の素性を知るべきだ)、これでスコーピオの正体とその目的を突き止めることに成功した。ヴァ―ノンはパーカー・インダストリーズの技術力を利用するだけでなく、イギリスに隠されたゾディアックの聖地から力を得て、世界を征服することを目論んでいたのだ。パワープレイ過ぎてびっくりだが、それを知って黙っていられるピーターではない。

オフィス内に隠されていたゾディアックのアジトにてパーカー・インダストリーズの全社員の現在地をホログラムで映し出し、スコーピオがヴァ―ノン・ジェイコブであることを突き止めたピーター。正体を暴かれ、自らの邪悪な野望を剥き出しにするヴァ―ノンにピーターは負けじと詰め寄る。アンタの思い上がりもここまでだ、今からそっちに行ってやるからな!

 

 

ピーターがスコーピオと対峙したその頃、ニューヨーク郊外の刑務所で事件が発生した。赤いスーツを着た男がライノを差し向け、拘束されていたリザードとエレクトロを解き放ってしまったのだ。戦力を求める男が彼らに与えるのは、失った愛する者たちと過ごす時間。これが意味するのものが明かされるのは、もう少し先の話だ。