[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:BLADE(2023)#5

ブレイドvsアダナ!

他を圧倒する強大な力を持つ始祖を倒すことができるのか?

 

 

前回はこちらから↓

 

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[あらすじ]

アダナ。5千年もの永き時を生きてきた始祖の1人にして、“ブラッドドリンカー”ヴァンパイアの一角。かの怪物は吸血鬼という種族全体の共通の弱点を克服するだけでなく、他者を思い通りに操る魔眼の持ち主だった。

ブレイドがこれまでに相対したことのない、最強の敵。果たしてアダナを倒す手立てなどあるのだろうか…。

戦場にて項垂れるブレイドを詰問するストレンジ。夥しい数の化け物たちの死体が転がるが、そこにアダナの姿はない。一体何が起こったというのか?

[THE ADANA]

日本にてアダナと対峙し、これに敗れたブレイドことエリック・ブルックス。それからというものブレイドは打倒アダナのために奔走してきた。手段を選ばず、邪悪な始祖を討つ術を求めたブレイド。謁見を禁じられていた一族の娘に協力を強要してでもそれを求める姿は、己が掲げる「名」と「プライド」以上の理由を感じさせる。

ブレイドはこれまでにもドラキュラ伯爵といった始祖たちと何度も敵対し、これを撃退してきた。時には仲間たちの手を借りて、憎き化け物たちの首を落としてきたブレイド。そういう意味ではアダナもまたドラキュラたちと大差ない。しかし、アダナはドラキュラと決定的に違う点がある。

彼女はヴァンパイアとしての記憶と姿を封印して人間社会に身を潜めていた。それは始祖たちが取らなかった、ある意味禁忌と言える手段だ。ヒトとよく似た姿をしていても、ヴァンパイアはヒトとは違う。多くの始祖たちはそう考えていたからこそ、人の目のつかない「闇」に紛れて過ごしていた。この在り方はヒトとモンスターの境、相容れない者たちの境界に区切りを付けた正しい生き方だと管理人は思う。その境界をアダナは容易くぶち壊した。ブレイドにとって、アダナのやり方はとても容認できるものではないだろう。「デイウォーカー」たるブレイドもアダナと同様に境界を超える存在ではあるが、己の本分は常に「闇」にあると自戒してきた。アダナにはそれがない。故にブレイドはなりふり構わずに、アダナを討つことに固執してきたのだ。

だが、現実はそう甘くはない。

常人を遥かに凌ぐ怪力と読心・催眠を可能とする魔眼、瞬時にワープする異能。アダナの力はブレイドを軽く凌駕していた。力の差は聖剣「ライト・ブリンガー」を以てしても覆すには至らず、頼みの綱だった聖剣も奪われてしまったのだ。

アダナの吸血は、牙を突き立てての原始的な方法とは一線を画する。手中に収めた魂を隷属化し、その血を器ごと吸収してしまう。激戦の中、チュリップはアダナに魅入られて発狂し、ライト・ブリンガーを渡してしまった。ローサと共に辛うじてストレンジに救助された彼女だが、魂を蝕む毒は“至高の魔術師”でも解呪には至らない…。

 

仲間の2人が戦線を離脱し、残るはブレイドただ1人。しかし、事ここに至ってもブレイドは己の力だけで戦う姿勢を崩さない。そんな彼をストレンジには止めることはできない。できるなら、とっくにやっている。“至高の魔術師”ができるのは「援護」だけだ。ローサたちを匿い、アダナが拠点とする次元へポータルを開いてブレイドを送り込むストレンジ。余計な手助けはブレイドが許さないから。

ブレイドがポータルから辿り着いた次元は、血のように真っ赤な空と赤黒き血が流れる異様な領域。玉座に座るアダナは、侵入者であるハンターの到来を待っていたようだ。今から素っ首、くびり落としてやる!

 

幾人もの血を喰らい、力を増したアダナはブレイドにライト・ブリンガーを投げ渡す。やれるものならやってみろ。どこまでも余裕な姿勢を崩さないアダナだが、そう言えるだけの力量を持つことは立証済みだ。激昂したブレイドの一撃を、腕の一押しで吹き飛ばしてしまうのだから、どう転んでもブレイドに勝ち目はない。それはブレイドも、アダナも分かっていた。

始祖にはブレイドを殺すつもりはさらさらない。彼女が求めるのは殺戮と混乱ではなく、何者にも縛られずあるがままに生きる「自由」。彼女の望む世界には「光」も「闇」もない。自分の在り方を捻じ曲げてでも生きるなど馬鹿げている、彼女がヒトの身にやつしたのは彼女の本心ではなかったのだ。だからこそ、「デイウォーカー」に興味を覚えた。お前もまた、否応なくヒトと化け物の間で揺れ動く哀れな存在なのではないか、と。

ヒトの皮を捨てきれない今のお前では私は倒せない。そう忠告し、ブレイドを元の次元に帰すアダナの表情からは、厳しくも確かな「母性」を感じさせる。

ブレイドには「マザー・オブ・イーヴィル」アダナの思想は理解できるものではない。だが、彼女の言い分は理解できる。強くなって、次こそ仕留めてやる!

 

こうしてブレイドとアダナの戦いはひとまずの決着を迎えた。結果はブレイドの敗北というまさかの結末だが、アダナはここで倒すには惜しいキャラクターだ。新たなるブレイドの強敵として君臨する彼女を討つには時期尚早、ということだろう。

ローサと別れ、ブレイドは日本を後にする。彼が向かう先はチェルノブイリ、ヴァンピースク。そこにブレイドが強くなるための鍵を握る人物がいる。しかし、その相手は…。

玉座に座る老人に聖剣を差し出し、指示を請うブレイド。老人の名はドラキュラ。ブレイドの古き敵の1人であり、ヴァンパイアたちの始祖の1人。仇敵が知る術とは一体何なのか?次回を待て!