[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:BLADE(2023)#6

アダナに敗れたブレイドは強くなるために、宿敵に膝を付いた。

そんなブレイドにドラキュラは試練を課すが…。

 

 

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[あらすじ]

アダナに完敗し、情けをかけられたブレイドは今より強くなるためにドラキュラ伯爵が治めるヴァンピースクを訪ねる。

かつての仇敵と再会した伯爵は、聖剣を捧げ、頭を下げるブレイドを無下にすることなく出迎える。種族の繁栄のためには優れた者を育成する義務は指導者に必要不可欠。ブレイドが強くなるためには、ブレイド自身が目を背けていた「闇」に向き合うべきと考える伯爵だが…。

老いさらばえたとは言え、伯爵は己の能力の自己研鑽に努め続けている。ブレイドも知らない「血で形作る屍」を使役する様は、恐ろしきノスフェラトゥの名に相応しい。

[Evil Against Evil]

ヴァンパイア。常人を上回る怪力とタフネスと俊敏性を持ち、他者の心を読み、己の姿を霧へと変え、使い魔を使役するヒト非ざる者たち。ドラキュラ伯爵はそんなヴァンパイアたちの中でも頂点に君臨する「串刺し公」だ。母国ルーマニアをたった1人で統一し、ヒトが踏み込めない暗闇から支配してきた始祖の1人。全盛期の力を失い、老人となっても尚、そのカリスマ性は衰えず今も伯爵を慕い、恐れる同族は数多い。

ブレイドは過去に伯爵と何度も対峙し、彼の邪悪な野望を挫いてきた。そして、彼を打ち倒すことに成功した。だが、伯爵の生命力の高さは伯爵自身の想像を超える程に高かった。復活を果たしたドラキュラは己の能力を研鑽すると同時に、ブレイドへの復讐戦を誓った。その筈だった。

しかし、時世は伯爵が生きた時代より確実に流れている。伯爵がブレイドとしのぎを削る間にも、ヴァンパイアという1つの種族は地上に居場所を奪われ、滅亡の危機に瀕していたのだ。自分という「王」がいなければ生き残ることができない同族たちに嘆いた伯爵は、「闇」に潜むのを止め、人間たちに堂々と自分たちの楽園ヴァンピースクを築くことを宣言。同時に、かつて自分を倒したブレイドを自身の後継者に据えようとも考えるようにもなった。アベンジャーズの指令でヴァンピースクの視察に訪れたブレイドは、伯爵からすれば渡りに船だったことだろう。

アダナに敗北したブレイドを鍛えることは、ドラキュラの理想を叶えることに繋がるのだ。

自分をかつての様に切り捨ててみせろ、と発破をかける伯爵。だが、ブレイドの一撃は悉くかわされてしまう。攻撃を当てることができないのは、ブレイドの「ヒト」の側面が原因だと言うが…。

己の姿を霧や蝙蝠、狼へ次々に変えてブレイドを挑発するドラキュラ。お前にもこれだけの些事はすぐにできる素質はある、できないのはヒトであろうとするお前の甘さのためだ。ブレイドは人間であるのと同時にヴァンパイアの血を持つ“デイウォーカー”。彼の特性はヴァンパイアの弱点を克服するだけでなく、ヒトの身でありながらも異形の力を振るえることにあるのだ。だが、伯爵の指摘をブレイドは頑なに否定する。

俺は最後まで人間として戦い続ける。己の心に敷いた境界線は破らない。それではアダナと変わらないから。伯爵の力はそんな弟子の抵抗を容易く蹂躙するのだった。

あくまでもヒトとして戦う姿勢を崩さないブレイドに配下たちを差し向ける伯爵。いくら切って捨てようが相手は死を恐れないゾンビたち。確実に息の根を止めなければ、待つのは死。追い詰められ、ヴァンパイアとしての力を振るうブレイドの様子を伯爵は静観する。

 

言って分からないのなら結果を示すべし。非情なやり方だが、頑固なブレイドに理解させるには一番の方法だっただろう。ヒトの皮を被っていてはアダナは倒せない。これが現実だ。静かに目を伏せるブレイドに「力を振るうことを楽しめとは言っていない」、と告げるのは伯爵なりの優しさか。

試練の仕上げにブレイドに自らの血を与える伯爵。当然ブレイドはドラキュラの血なぞ飲めるかと、これを拒否する。しかし、それではブレイドの身体に潜む潜在能力は発現できない。ブレイドが血を拒むのは彼自身の出生が起因することは、伯爵も把握している。それでも「心理療法だから飲め」「私の力を与える訳ではない」と辛抱強く言って聞かせる姿は指導者というか、聞かん坊に説教する保護者の様だ。

ドラキュラの指導のお陰で、ブレイドの力は彼自身の境界は越え、力を高めることに成功。増幅された力に振り回されることなかれ。伯爵の攻撃を咄嗟に霧状に変化させて躱す弟子の姿に、伯爵は満足気な笑みを浮かべて自国から立ち去るよう告げるのだった。

 

ドラキュラに傅いた時は何事かと心穏やかではなかった管理人だったが、蓋を開けてみれば伯爵の意外な面倒見の良さが垣間見れた良エピソードだったと思う。ブレイドは確かに強いが、強敵相手には苦戦することが多かった。これでもうアダナにも引けは取らないだろう。

だが、ブレイドが戦う相手はどうやらアダナだけではないようで…?

ブレイドに電話をかける男が1人。彼の名はブルース・バナー。“緑の怪物”ハルクを内に宿すバナーは、アダナの出現を機に異変を生じた自分たちの助けを求めていたのだ。