[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

アメコミ、アメトイに関して語るブログです。MARVELのダークヒーローやクライムファイター中心。

アメコミ:GHOST RIDER:FINAL VENGEANCE(2024)#3

古代の悪魔と共にシカゴに巣くうギャングたちへの復讐戦に乗り出すパーカー・ロビンス。その一方で、囚われの身となっていたジョニー・ブレイズは…。

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

[あらすじ]

“復讐の精霊”ザラソスに選ばれ、器となったザ・フッドことパーカー・ロビンス。当初は予想を遥かに超える古代の悪魔に恐れおののき萎縮してしまったロビンスだが、彼の過去と内面を知った“復讐の精霊”は彼が本当に望むロードを指し示す。

築き上げ、そして奪われた幸せを奴らから取り戻す。自分を貶めたマフィアたちを1人残さず皆殺しにする。ゴーストライダーへと姿を変えたロビンスは、仲間たちを集め復讐に乗り出す。

時を同じくブラックヒルズではジョニー・ブレイズに起こった異変を確認・解決すべく、ゼブが現れる。世の調和を是とする悪魔にとって、この事態は見過ごせるものではなかったようだ。

大蜘蛛に囚われ、死を待つばかりだったジョニーを救うために奮闘するゼブ。彼の頑張りがなければ、ジョニーは間違いなく助からなかっただろう。「危ないところだったぞ、ジョニーボーイ」

[Spiritual Warfare]

ジョニーと一定の和解を果たした“復讐の精霊”がジョニーの元を離れ、ヴィランであるザ・フッドがゴーストライダーとなった。これだけでも相当なインパクトを与える出来事だが、ベンジャミン・パーシーは更に一球を投じた。それがゼブの再登場だ。

ベンジャミンがライターを務めた10期の前半にて登場したゼブは、最初は地獄の王子ブラックハートの配下だった。しかし、ゼブ本人は世界の調和を保つことを至上とする「まともな」悪魔の1人。ライダーへの復讐心から地上に無用の混乱を拡大させるブラックハートに反逆した彼は、タリア・ウォーロードを通じてジョニーに接触。地獄の王子の打倒に貢献したゼブは、その後も独自に行動し、陰からジョニーたちの動向を見守ってきたのだ。

そんな彼がジョニーを救出したのは、ジョニーへの個人的な感情もあるだろうが、何よりも“復讐の精霊”が悪党の手に渡ったことを危惧してのことだろう。“復讐の精霊”は制御不可能な強大な「力」を持つ怪物。そんなモンスターを抑えられるのはジョニーただ一人。少なくともゼブはそう考えていた。ライダーを野放しにすることは調和を乱す元凶に繋がるのか。

ゼブが危惧する“復讐の精霊”の危険性。古代の悪魔が放つヘルファイアは宿主の心も、魂も焼き尽くしてしまう。だが、ヘルファイアはロビンスの悪の心のみを焼いたようだ。魔術とヘルファイア。二つの力を駆使するロビンスは、マフィアの集会所を襲撃していく。

シカゴの裏社会に蔓延る「悪」、とりわけ自らを卑下したマフィアたちを次々に血祭りに上げていくロビンス。大好物な罪人の魂を喰らい、歓喜する“復讐の精霊”を感じながらも、ロビンス自身も己の復讐心が満たされていく。それは喜ばしいことだ。しがないチンピラやいきがるマフィア崩れでは味わえない幸福だったことだろう。しかし、ここに来てロビンスは己の過ちに気付く。手を組んだ仲間たちがマフィアたちを喰らう様を見て、ロビンスは言いようのない不快感を感じてしまったのだ。彼が組んだ相手はヴァンパイアの一族。“復讐の精霊”は悪戯に殺人を行う彼らを敵と認識してしまう可能性を、ロビンスは考慮していなかった。悪党時代の癖が抜けていなかったがための悪手と言えばそれまでだが、ツメの甘さがザ・フッドらしい。

そこでロビンスは仲間たちの元に身を寄せながらも、極力彼らを関わらない方法を思いつく。それは家族への奉公。久しく会っていなかった妻子を自宅に招き、そこに住まわせることにしたのだ。高層マンションの一等地、そしてバッグ一杯の大金。何も不都合なことはない。父の裏の顔を知らず、純粋に再会を喜ぶ愛娘を笑顔で抱き寄せるロビンス。だが、彼の姿は仲間たちに弱い一面を見せることができず、家族をダシに使って“復讐の精霊”の敵意を誤魔化しているようにしか見えない。それでもロビンスは止まる訳にはいかない。こんな方法しか、彼は知らないのだから。

ブリーに見せる優しい笑みとサラに向ける決意の表情。そんなロビンスに思うところがあるのか“復讐の精霊”はただ道を示す。彼にはパーカー・ロビンスの真に望むものが見えているからか?

ザラソス「欲しいものが見えたのなら、あとは行動あるのみ。取るべき手段はもう分かっているな」

 

ジョニー・ブレイズとパーカー・ロビンス。2人の男たちの間にはこれといった因縁はない。あっても精々メフィスト関連ぐらいだろう。しかし、この2人には似て異なる点がある。身に宿し振るう悪魔の力や最愛の家族にどう向き合うのか。同じ悪魔憑きであっても、その方向性はジョニーとロビンスとでは大きく異なる。

「最後の復讐劇」。その大舞台にスポットを浴びる役者がザ・フッドであることに些か力不足ではないかと感じていた管理人だが、なかなかどうして、これほどまでに適した役者もいないのではないかと思ってくる。

少しずつシカゴを「掃除」していくロビンス。相棒を奪われながらも、身体に残されたヘルファイアを覚醒させたジョニー。2人が激突する日はそう遠くない…。

2人の男たちは悪魔の導きにより、それぞれが往くべきロードを見出した。一歩先に走り始めたロビンスを猛追すべく、ジョニーのヘルファイアが勢いを増していく!