[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:DRACULA:BLOOD HUNT(2024)#2

地上を混沌に包んだ首謀者は敬愛する父。

事実を受け入れることができず、ヒーローたちの元から去るブリエルだが…。

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

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[あらすじ]

サンクタム・サントラムに集い、ヴァンパイアたちを先導する悪党を討つ作成を練るヒーローたち。しかし、この中でただ1人ブリエルのみ、地上から太陽の光を奪った男を知らされていなかった。

ドラキュラ伯爵から語られる真相の数々。自身に生きる術と戦う意義を教えてくれた父が、今や人々を襲うモンスターと変わり果て、彼を打倒する鍵が他ならぬブリエルだということ。自分では父は切れない。悲しみの激情に突き動かされるように、ブリエルは独りフリークスが跋扈するニューヨークを走る。そんな彼女をヴァンパイアたちは物陰にじっと潜め、その爪を研ぎ澄ませていた。

ヴァンパイアに不意を突かれ、窮地に陥るブリエル。そこに思わぬ助っ人が現れる。

か弱き女子が襲われるところを見過ごしてはマーベル1のプレイボーイの名が廃る?デアデビル、堂々の参戦!

[STAND CHANCE]

ヒト非ざる化け物が蔓延るモンスターシティと化したニューヨーク。今やこの街だけでなく世界中の至る所が、強力な「闇」に魅入られたヴァンパイアがその勢力を広げつつあった。そんな街で女子一人、それもかのヴァンパイアたちが命を狙うブリエルがいるのだから、襲撃を受けるのは当然のことだ。

思えば今回のクロスオーバーイベント「ブラッドハント」に登場するヒーローたちはいずれも歴戦を戦い抜いた猛者ばかりの中で、ブリエル・ブルックスだけはまだまだ未熟な新米ヒーローでしかないのは少々異質だった。彼女は“デイウォーカー”由来のパワーと狩猟本能、そして父から受け継がれた戦闘スキルは持っていても、ブリエルはデビューして間もないひよっこアベンジャーズスパイダーマンが戦いの中で味わった身を切るような思いも、時間をかけながらも少しずつ乗り越えていった経験も、ブリエルにはない。彼女は未だ大人の庇護にある子供なのだ。

いくらブレイドの娘だからといっても、ちょっとばかし贔屓し過ぎなんじゃないか。そんな考えが管理人の脳裏を一瞬過る。ブリエルはブレイドだけでなく、伯爵にも目をかけられており、彼女の存在はアベンジャーズたちにも知れ渡っていた。故にヒーローたちは彼女が事件の解決に乗り気だったことに驚き、伯爵に詰め寄った。その様はまるで「こんないたいけな子を父親と戦わせるなんてとんでもない」と糾弾しているように管理人は感じた。

ブリエルはそんな大人たちの元から逃げた。父を殺すことも、彼らの守護下にあることも嫌だった。誰かの指図などいらない。私は私自身の意志で戦う。私が戦う理由は大切な者たちを護るため。それはブリエルが彼女自身に誓った願いだ。しかし、今やその願いは崩れ去ろうとしている。認めることができないブリエルに救いの手を差し出せるのは、事件の首謀者を知らないヒーローしかいないだろう。

デアデビルことマット・マードックは数奇な経験を経て、再びニューヨークに戻ってきた。マットはヴァンパイアたちが起こした事件の詳細も、ブリエルのことも知らなかった。だからこそか、はたまた彼の本職故か悩める少女の訴えに耳を貸す。命を救い、戦う術を教えてくれた恩人である父親を殺すことでしか「闇」を祓うことができないのか。自分が父に誓った願いに反していても、心を殺してでもヒーローとして戦わなければならないのか。ブリエルの叫びにマットはこう返す。ヒーローとは何だと思う?、と。

ただ常人より力が強くても、常人にはない特殊な能力を持っていても、それだけではヒーローにはなれない。悪を許さぬ怒りや、敵に向かう勇気を持っていてもヒーロー足り得ない。ただ闇雲に敵対する者全てを打ち倒すのでは、それはヴィランと変わらない。「愛する者が道を誤ったら、これを全力で止める」それがヒーローの在り方の1つなのではないか。

デアデビルもまた、ブリエルと同じ悩みを抱えてがむしゃらに拳を振るった。そのために大切なものを失い、また気付かされた。まだまだ成長途中にある少女に同じ思いはさせたくない。されど、選ぶのは彼女自身であり己の考えは強要はしない。悩み苦しむ者に道を指し示す姿はコスチュームを纏っていても、弁護人のそれ。

ブリエルに必要だったのは己の苦しみを吐き出して受け止め、次の段階へ引き上げてくれる先人だったということだろう。

デアデビルの「弁護」に己の進むべき道を見出したブリエル。そんな彼女を迎えに来たのはドラキュラ伯爵。余計なことを吹き込むな、と伯爵はデアデビルに釘を刺す。一触即発…。

 

ブリエルはまだまだ子供であり、この大舞台には不釣り合いなのではないか。そんな考えは管理人にはもうない。伯爵の語る「世界を救う」、デアデビルの語る「大切な者を止める」、いずれも本当にブリエルにできるのか。それは彼女自身にも分からない。しかし、やると決めたのならもう逃げはしないし、焦る必要もない。デアデビルと伯爵の戦いに割って入ることも、善良な父を信じることも恐れはしない。そんな彼女に伯爵も静かに笑みを浮かべる。ぶっ飛ばされたデアデビルだけは苦い顔をしていたが。

レーダーセンスにも即座に対応する。
これが最強のヴァンパイアの力よ。

ブラッドハント本編が怒涛の展開で畳み掛けていくのに対し、この「ドラキュラ:ブラッドハント」は種族の未来のために戦うドラキュラと彼をはじめ先人たちの教えを受けて成長するブリエルの2人で織り成すゆっくりとしたストーリー構成だ。しかし、このミニシリーズがイベント本編ひいては今後のマーベルユニバースに与える影響は大きい。戦う覚悟を決めた子供は強い。それを大人たちに見せてやる時だ!

伯爵の許しを得て、母サフランへ己の覚悟を涙を流しながらも伝えるブリエル。そんな彼女を襲うのは、異形と変わり果てたブレイドだった!?