暴かれる黒幕!
闇からの誘いは執拗に、執念深く続く。
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【あらすじ】
“ソーサラー・スプリーム”トニー・スタークの助けもあり、闇の存在に対抗できる武器を手に入れたミッドナイトサンズ。黒と赤に彩られた装備の力は凄まじく、その力はダークディメンションの番人をも蹴散らすほど。そんな彼らの前にヴァルトが、そしてアガサとゾーイの前にアミュール・トーカーが現れる。
アミュール・トーカーは執念深くゾーイを付け狙うが、同時にアガサを目の敵にしているのか彼女を煽る。アミュール・トーカーがアガサを敵視するのは単純に敵だからというわけではなく…。
【アミュール・トーカー】
ダークディメンションにてトニーお手製の魔術が施された装備の力試しと言わんばかりに、ダークディメンションの番人グランシック・ガーディアンを叩きのめすミッドナイトサンズ。この強力な装備があればヴァルトたちにも正面から対抗できる。そう感じさせてくれる武器にヒーローたちはご満悦。今までは闇の存在にいいようにやられっぱなしだったが、今度はそうはいかない。強い意志に力が合わされば敵はいない。
しかし、そう簡単にはいかないのが世の常だ。
いくら強い武器を得ても、胸に秘める意志が強くても、闇の存在はその光の隙間を縫って忍び寄る。前号にて鏡越しにアガサに接触してきたアミュール・トーカーだ。
アミュール・トーカーのマスターであるヴァルトは嘗てのアガサ・ハークネスから力を得ようと彼女に接触、その過程でアガサの愛弟子の1人であるコリーナを攫ってしまう。当然アガサは師匠として弟子を救出しようと一人、ヴァルトの世界に乗り込むがヴァルトの力は凄まじく、救出を断念。助けて、と叫ぶ弟子を置いて逃げてしまった。
アガサは過去の過ちをずっと後悔していた。もっと自分に力があれば、弟子を見捨てることはなかったかもしれない。だが、どんなに後悔しても彼女が帰ってくるわけではない。ならば、せめて目の前の少女を護ることが弟子への贖罪になるとアガサは考えていた。そんな彼女をアミュール・トーカーが嘲笑う。「弟子一人救えないお前が生徒を護ることなど、できるわけがない」ゾーイの正体をさらけ出してアガサに詰め寄る怪物は、アガサのことをよく知っているようだった。何故なら、アミュール・トーカーの正体はそのコリーナだったから。
自らマスクを外して(趣味悪いマスクだこと)正体を晒したコリーナはアガサを嘲笑しながら、異形と化した腕で魔女を締め上げて壁に叩きつける。師匠の贖罪の念は弟子の怒りに火をつけてしまったのだ。そしてコリーナの悪意はマスターであるヴァルトすらも上回っていた。コリーナからすればヴァルトは自分をこんな姿にした憎い敵であるだろう。ヴァルトの力を奪い、自らのものにしていたのだ。
抜け殻となったヴァルトの姿に愕然としながらも状況を分析するミッドナイトサンズ。真の敵はヴァルトではなかった。この悪魔を裏から操っていた存在がいたのだ。全てはアガサへの復讐に燃えるアミュール・トーカーの謀だったのだ。
闇を照らす太陽の光でも影までは照らせない。影に潜み、力を蓄えてきたコリーナをアガサを蹴散らしゾーイを闇へと誘惑する。ミッドナイトサンズも魔術師たちも皆揃って皆殺し、再び悪夢のような幻影をゾーイに見せるコリーナの暴挙を止めることはできるのか…。