クンルンの戦士vs地獄の闘士たち!
生き残りを賭けたルール無用のデスマッチの開幕だ!
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【あらすじ】
先代アイアンフィストであるオルソンとダニーの妹であるミランダの戦いは、経験値の差か体力切れを物ともせないオルソンが優位に立っていた。
ミランダにトドメを刺さんとするオルソンに待ったをかけた現代のアイアンフィストであるダニーとファットコブラは悪魔の静止を振り切り、試合を中止させる。
最高の見世物を台無しにされて怒り心頭のディーケイは地獄の闘士たちを召喚し、急遽クンルンの戦士たちをターゲットにした公開処刑を始めようとする。
【闘いこそが生きる証。俺より強い奴、出てこいや】
ディーケイが放った刺客たち、レギオン・オブ・ヴェンジェンスは強い。
人間を遥かに上回る身体能力に化け物独自の特殊能力を駆使してリビング・ウェポンたちを圧倒していく。
だが、それは最初だけだ。
敵の初撃を受けた時点で、力量は知れた。荒ぶるリビング・ウェポンに対抗することはできやしない。ダニーの燃え盛る拳が、オルソンの容赦ない抜き手が、ミランダの猛々しい蹴りが、悪魔たちを打ち砕いていく。
刺客たちを次々と撃破され、面目丸つぶれのディーケイ。「たがが人間数人如き、さっさと始末しろ!」と典型的な悪役台詞を叫び、残った悪魔たちを囃す彼だがリング内の状況は既にアイアンフィストたちが優勢だ。
しかし、ここで遂にオルソンが限界を迎える。元々無茶を押して戦い続けたのだから無理もないだろう。体に流れる“チ”も底を尽きかけ、命の炎も風前の灯火だ。
なんとかオルソンを救いたいダニーは“チ”を分け与えようとするが、オルソンはこれを拒否。この試合にケリをつけるのは自分の役目であり、ダニーにはダニー自身の戦いのために力を取っておけ、というのだ。
持てる力を全て込めた全身全霊の拳がリングに蔓延る悪鬼たちを消し去る。
力を使い果たし、倒れるオルソンに駆け寄るダニー。自分のために涙を流すダニーにオルソンは最後の別れを告げる。アイアンフィストとして戦うダニーの行く末を案じながらも、自分が生き返ることよりも現代に生きるダニーを優先したことに後悔はないと語る彼の顔は穏やかだった…。
リングを滅茶苦茶にされ、刺客たちも全滅されたディーケイはメフィストの制裁を恐れて逃げ出した。
ダニーたちは勝ったのだ。
妹を取り戻し、旧友との再会と思いがけないことが起こる中でもアイアンフィストは勝利を収めた。しかし、この勝利は今この街で起きている災厄の中ではちっぽけなものだ。
妹をファットコブラに任せ、アイアンフィストは戦い続ける仲間たちの元へと向かう。
先代から受け継いだ戦士の誇りと共に地獄と化したラスベガスを駆けていくのだった。