[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:ADAM:LEGEND OF THE BLUE MARVEL#4

時代の闇を知る者たち。リードとネイモアが語る現実。

アンチマンと相対するブルーマーベルは彼とどう戦う?

前回はこちらから↓

 

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【あらすじ】

打倒アンチマンへの対策を練るアベンジャーズの元に現れたアダムは、自身の過去とアンチマンの正体を打ち明けてアベンジャーズに協力を求める。

アダムの過去を聞いたアベンジャーズは慎重に対策を練る必要があると考えるが、アダムにはそんな悠長なことを言っている暇はない。何時アンチマンが現れるか分からない以上ぐずぐずしていられない。

ヘリキャリアを飛び出したアダムが向かった先は海底王国アトランティス。かつての戦友であるネイモアなら自分に協力してくれると考えるアダムだが…。

人と違うものを受け入れることは難しい。
ブルーマーベルは世界にとっては異物か。
【必要悪】

何故アンチマンへの対策を慎重に練る必要があるのか。それはアンチマンの能力を恐れるためばかりではない。アンチマンを倒す為なら力に訴えるのも辞さないブルーマーベルの危険性にあった。耐えることを辞めたアダムは、その力を以て脅威となる存在を排除しようと考えていたのだ。

アダムの半ば暴走気味な心境を察したリードは敢えて彼の協力を蹴った。それは彼の身を案じてのこと。アダムは肌の違いから他者から謂れのない差別を受けてきてずっと耐えてきた。耐えてきた分、その反動は測り知れない。

リードはヒーローであるのと同時に、差別の対象ミュータントである息子を護る父親。肌の色と遺伝子の突然変異という違いはあれど、受けてきた痛みは同じだろう。

人間は自分たちとは違う異分子の存在を認めず、排除しようとするもの。それに対抗するべく力を振るう。リードが語る現実にはトニーもピムも黙るしかない。

 

では、異分子が他者から認められるにはどうすればいい?

答えは簡単、他者にとっての”敵”を打ち倒して認められればいい。

そう答えるのはアトランティスの王、ネイモア・ザ・サブマリナー。

ネイモアもまたミュータントであり、海底王国の住人。地上の人々から差別を受け、地上を汚す人間たちに絶望、憎悪の感情を向ける男。人々にとってはネイモアは恐ろしい敵だ。しかし、ネイモアは世界にとっての敵をヒーローたちと共に撃退したことで、ヒーローたちからは仲間として迎えられている。これによりアトランティスは今も地球にある。

ブルーマーベルの場合は、そういった敵はいなかったし共に戦うヒーローもいなかった。ただ只管に上からの命令に従って、”国にとっての敵”を倒してきた。

「お前もそういう敵を作れ。そいつを力で捻じ伏せて、世界に自分を認めさせろ」

ネイモアが語る必要悪はもっともな意見だ。しかし、ネイモアの真理を得ながらも過激な考えを聞くうちにアダムは冷静さを取り戻し、彼の提案を退ける。必要悪など自分にはいらない、そう語るアダムはアトランティスを後にする。

自分にとっての敵はアンチマン、彼に力で対抗する必要はない。

アダムと数十年ぶりの再開を果たすネイモア。
ネイモアにとってアダムが味わってきた苦痛は他人事ではない。彼なりにアダムのことを心配していたのだろう。
【コナー・シムズ】

ブルーマーベルの敵、アンチマン。彼の正体はアダム・ブラッシャーの親友コナー・シムズ。アダムと同じく元軍人であり、学者であった彼はアダムの能力と人柄を高く評価し、肌の違いを気にせずに接してきた。

コナーにとって重要なのは、世界に貢献できる能力。故に肌の色が違うというただそれだけの理由で、アダムを冷遇する人々に怒りの感情を爆発させてきた。

青年時代のコナーとアダムは共に軍に所属してきた。
大切な友人であるアダムを侮辱することは許さない。これだけならいい奴なのだが…。

アダムを守るためなら暴力に訴えるのも辞さない、危険な思想を持つコナー・シムズ。そんな彼もアダム同様にアンチマター・リアクターの爆発を受けて、全身にアンチマターを浴びてしまう。その結果、彼はアダムと同じく超人となった。しかし、同じ超人と言っても彼の能力と精神は非常に不安定だった。自分には制御できない過ぎた力。

そんな力を持ってしまったが為に、彼は一つの結論を得る。このアンチマター・リアクターの力があればアダムのような虐げられる人々を救えるのではないか、と。

人々を救う、それはとても素晴らしいことだろう。しかし、先述した通りコナーは暴力に訴える男。超人が振るう暴力は世界すらも壊しかねない。だが、それはコナーが望んだことでもあった。

人より優れた能力を持つ人間が、真に評価されない世界などぶっ壊してやる。コナー・シムズがアンチマンとなった瞬間だった。

ブルーマーベルの前に現れたアンチマン。
決着を付けようと意気込むアンチマンだが、ブルーマーベルは戦おうとはしない。

世界を護るブルーマーベルと、世界を壊すアンチマンは相容れない存在だ。

しかしアダム・ブラッシャーとコナー・シムズでは違うだろう。彼らは互いに助け合い困難に立ち向かってきた親友同士。あの爆発事故でもコナーは自分の身を顧みずにアダムを救った。今度は俺がお前を助ける番だと叫ぶアダム。

アダムが選んだ戦いは対話。力を振るう必要はない。必要悪もいらない。

コナーの言い分も受け入れた上で、コナーに取付く取り憑くアンチマターを取り除き助けようとするアダム。

しかし、コナーはアンチマターを全身に受けたことで彼自身がアンチマターと化していた。アンチマターを取り除けばコナーは死ぬ。まだ死ぬわけにはいかない、とコナーはアダムの手を振り払う。

世界を全て破壊する、狂気に支配されたアンチマンを救う術はあるのだろうか?

俺はまだ死ぬわけにはいかない、邪魔をするな。これはお前の為なのだ!
…そこにアダムの理想はあるのか?