[アメコミ]LAGIAの趣味部屋[アメトイ]

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アメコミ:AMAZING SPIDER‐MAN(2015)#16

倒れたジェイムソンの父を救う術を求めて奔走するピーター。

そんな彼に救いの手が差し出されるが…。

 

 

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[あらすじ]

ジェイ・ジェイムソンが倒れた。ジェイはいつの頃からか体調を崩し、ピーターたちのパーティー会場で血を吐き意識を失ってしまったのだ。

病院に搬送され、一命をとりとめるジェイだが、予断は許されない状況にある。医者が言うには彼を蝕む病は遺伝性のものであり、通常の医療では治すことはできないというのだ。同時に、その医者はジェイを救うことができるのは「ニューU」の技術最新技術だけだと語るが…。

父が倒れて余裕が無くなったジェイムソンは、原因をピーターに押し付け、父を救う術を探させようとする。いつもの、同時に懐かしくもある編集長時代の悪癖を全開にするジェイムソンにピーターも閉口気味だが、彼を救おうとするのはピーターもまた同じだった。

[Before Dead No More]

ベッドに横になり、死を待つばかりの家族を見るのは耐えらるものではないだろう。特にピーター・パーカーにとっては、メイ叔母さんに続いて二人目なのだから。

今シリーズ「ビフォア・デッド・ノー・モア」編は死に瀕した者たちを救う術を提示された時、ピーターはどうするのかを描いた「前振れ」だ。ピーターとジェイムソンに提案されたニューUの最新技術は、既存の医療技術を遥かに凌ぐ。かのニューUから派遣されてきたリタ・クラークソン博士はそう断言するがその治療費は膨大なものになる。ニューUがどんな組織で、彼らの技術が本当に信用できるものなのか。それをはっきりとさせない限りピーターとジェイムソンが博士の提案をのむことはあり得ないだろう。

父をモルモットにはさせないと怒りを爆発させるジェイムソンと、パーカー・インダストリーズの技術でジェイを蝕む病を治療せんとするピーターは彼女の提案を跳ね除ける。しかし、2人の抵抗を無視するかのようにニューUはその勢力を水面下で拡大を続けていた。

ライノにリザード、そしてエレクトロの最愛の人々を蘇らせ、見返りに仲間になるよう頼むジャッカル。度々姿を現していた「深紅」のスーツを着た男の正体はジャッカルだった。ニューUは彼が支配する秘密組織。だが、その立ち振る舞いはこれまでの悪逆非道なジャッカルとは違うようだが…?

2015年から刊行されてきた第4期のアメイジングスパイダーマン誌。その1号から姿を現してきた深紅のスーツを着た男の顔はここまで描かれてこなかった。それは「ビフォア・デッド・ノー・モア」編までの、壮大な伏線だったのだ。

死を待つばかりの者たちと、その死から蘇らせる術を持つジャッカルを登場させる。自社キャラクターに容赦しない「ドS」らしいマーベルらしい展開に、管理人も背筋がゾクゾクする。スパイダーマンはこれまでにも様々な者たちの最期を看取ってきた。親しい家族に友人や恋人、憎きヴィランやその家族。不可抗力で殺害してしまったことや、力及ばず助けることができなかった者たち。命を落とした彼らの姿は我々読者にも、そしてスパイダーマンにも少なくないショックを与えてきた。ジェイを救うためにアナマリアの助けを借り、血眼になりながら奔走するピーターの姿は鬼気迫るもの。点滴に繋がれるジェイの姿に、かつてのメイ叔母さんを重ねてしまったのかもしれない。

「あの時」は地獄の悪魔が手を貸した。今度はクローン技術を悪用し、ニューヨークを混乱に陥れた異常者がピーターに手を差し伸べるというのか。幸か不幸か、ニューUの背後にジャッカルの影があることをピーターはまだ知らない。

そして、ピーターはニューUが誇る最新技術の一端を知ることになる。

パーカー・インダストリーズの化学工場で突如発生した爆発事故。アナマリアから事件を知ったピーターは、炎の中に取り残された作業員たちを救うためにスパイダーマンとして奮闘する。しかし、作業員の1人であるジェリー・サルテレスが危険な化学薬品を吸い込み、身体に深刻なダメージを与えていたのだ。彼を治療できる手段を模索するピーターの脳裏にニューUがちらつく。友を救うのに、迷っている暇などなかった。

意識を取り戻したジェリーと彼の快復を喜ぶ家族を前に安堵するピーター。しかし、何故かスパイダー・センスがジェリーに対して「危険」を感知する。いったい何故…?

 

一難去ってまた一難というが、今回の事件はまだ「前振れ」に過ぎない。ジェイを救う術を自力で見つけようと足掻くピーターを尻目に「クローンの陰謀」は次の段階へ進んでいたのだから。

父を救って欲しい一心で口座カードを手に、クラークソン博士に謝罪するジェイムソン。そんな彼にも「贈り物」が用意されていた。死してなお愛し続けた最愛の妻、マリアその人。その見返りは…。