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アメコミ:BLOOD HUNT(2024)#5

地球最強のヒーローたちvsヴァルネ率いるヴァンパイア軍団、最終決戦開始!

世界を包む「闇」を打ち払った先に待ち受ける光景は…!

 

 

前回はこちらから↓

 

lagia.hatenablog.com

 

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[あらすじ]

ニューヨークに落下した寺院にて、世界の命運を賭けた最後の戦いの幕が上がる。

“デイウォーカー”の身体と取り込んだダークフォース・ディメンションの力、配下のブラッド・コヴンを率いる古代の魔術師ヴァルネ。それに対するのは我らが地球最強のヒーローチームアベンジャーズ。ヴァンパイアたちから受けたダメージを回復させて戦線に復帰した雷神ソー、ヴァルネの魔手から取り戻したブラックパンサーの2人と合流したアベンジャーズは持てる力を駆使して異形たちへ挑む。

囚われの身となっていたスカーレット・ウィッチも助け出し、メンバー全員が揃ったアベンジャーズ。それでもなお、相手の力はヒーローたちのそれを上回り苦戦を強いられる。戦いの勝敗を分ける鍵を握るのは、“至高の魔術師”が救援を求めたラトヴェリア国王ドクタードゥーム。彼が協力する見返りに求めたのは、“ソーサラー・スプリーム”の称号だった…。

[闇夜に輝く光たち]

「闇」の力を行使する者たちの暴走から端を発したクロスオーバーイベント「ブラッドハント」。その首謀者はブレイドの身体を乗っ取り、彼になりすまし暗躍を重ねてきた「始祖」の1人であるヴァルネ。知る人ぞ知るマイナーキャラクターをまさかの大型イベントのラスボスに持ってくるというライターのジェド・マッケイの大胆さに舌を巻く管理人を余所に、ヴァンパイアたちは勢いに乗るアベンジャーズと一進一退の攻防を繰り広げる。初戦ではヴァンパイアたちに完敗し、次戦では太陽の光を放つヴィジョンの機転で難を逃れたアベンジャーズ。正面からのぶつかり合いでは、単純なパワーとタフネスで勝るヴァンパイアたちに分がある。

ダークホールドに記されたヴァンパイアたちを一掃する秘術「モンテ―シ・フォーミュラ」を行使し、一撃で終わらせる手段もあったが、それでは善良なヴァンパイアたちをも滅ぼしてしまう。ここに来ても尚、非情な決断を下すことをよしとしないヒーローたちをブラッド・コヴンは嘲笑う。一瞬の躊躇いが敵に隙を作る、唯一対抗できるヴィジョンを半壊され、徐々に追い詰められてしまう。

ブラッド・コヴンにアベンジャーズの相手を任せ、ヴァルネは古代からの因縁を持つソーと雌雄を決さんとする。青白い雷を纏うソーと赤黒きオーラと一体化したヴァルネの対象的な様が美しい。

一方、ドクタードゥームに救援を求めてラトヴェリアへ赴いた“至高の魔術師”とクレアの2人もまた、ドゥームからの見返りを受けて苦境に立たされていた。ドゥームが要求した見返り、それは“ソーサラー・スプリーム”の称号だった。ドゥームとしても母国を脅かすヴァンパイアの脅威を排除するためならば、ヒーローたちと手を組むことも構わなかった。ただし、無償で手を貸す程お人よしではない。これまでに何度も対立した“至高の魔術師”が自分に助力を請うだけでも痛快だが、どうせなら奪えるものは全て奪っておきたい。決して善良な男とは言い難いドクタードゥームの悪辣さが見て取れる。

しかし、“至高の魔術師”は傲慢に振る舞う王の提案を受け入れた。ヒーローたちよりも大局的に事態を見極め、状況を把握し、交渉の材料を用意していたドゥームを前にしてストレンジに選択の余地は残されていなかったからだ。世界をより良くするためにどんな手段でも使うのが“ソーサラー・スプリーム”の役目。そのためならば恋人や友人、生徒たちをも天秤にかけてきたストレンジと、ラトヴェリアを守護しながらも己の野望を果たさんとするドゥームはよく似ていると思う。

世界を救うためにストレンジは“至高の魔術師”の称号を「一時的に」譲渡した。ドゥームもまた世界を救うために、強大な魔術を行使する準備に取り掛かる。

“至高の魔術師”の力を得たドクタードゥームが新たなる“ソーサラー・スプリーム”となったその頃、ブリエルも世界を救うために寺院へと向かっていた。各々の考えは異なれど、世界を救うために一致団結するのが大型イベントの醍醐味だ。

劣勢に追い込まれながらも諦めずに勝つための策を模索するアベンジャーズと、後方からの援護という形ながらも勝利に貢献しようとする“至高の魔術師”たち。彼らの心に宿る光は強大さを増していくダークフォース・ディメンションの力を以てしても、簡単には覆い隠せない。ヒトの弱さを嗤うフリークスたちも倒れないヒーローたちを前に、少しずつ焦りが見え始めていく。

片腕をもぎ取られ、出力が低下しながらも戦闘を続行するヴィジョン。そこにムーンナイトたちコンシュの使者が駆け付ける。夜の旅人の守護者の使命にかけて、戦友たちは護って見せる!共に邪知暴虐の魔術師を討つ時だ!

[SAVE THE “WORLD”]

ドクタードゥームが用意していた「闇」を打ち払うための手段。それは古代アトランティスに伝わる「光」の魔術だった。ダークフォース・ディメンションが齎す暗黒を無力化する術を行使するには、それ相応の魔力が必要。ドゥームはその術を発動するための協力者としてストレンジ・アカデミーの元生徒たちを自国に匿っていただけでなく、難解な魔術もラトヴェリアの科学力で解読していた。

生徒たちを従え、自分ではとても発動することはできない魔術を発動させようとするドゥームの姿にストレンジもただただ感嘆するしかなかった。

世界は救われる、ドゥームの名の下に。虹色に輝くエネルギーの奔流はダークフォース・ディメンションの暗闇を晴らすための最後の手段。術が発動されたことを察してかヴァルネも暗黒次元の力を高め、ヒーローたちをも取り込もうとする…。

ダークフォース・ディメンションの力を取り込み、パワーアップを果たしたヴァルネは強い。雷神ソーをも単身で相手取り、暗黒のオーラを自在に操ることでアベンジャーズやコンシュの使者たちをも纏めて拘束させてしまうほどだ。その強さは己の持つ絶対的な力への自負がさらに高めていき、ドゥームの発動させた魔術も効力を発揮しきれていない。勝利を確信するヴァルネ。だからこそか、彼は自身の唯一の弱点を語ってしまう。自身が憑依した“デイウォーカー”の娘こそが自分を打倒できる、と。

丁寧にフラグを建てる様は確かに大型イベントのラスボスに相応しいよ。

父を救うために駆け付けたブリエルの刀は、ヴァルネの胸を貫く。しかし、往生際の悪さを発揮するヴァルネは「永く憑依したこの身体は俺の一部となっている。引き剝がすのは不可能だ」と嘲笑う。だが、そこに怒りに燃えるマイルズの追撃が入る。家族の情を弄ぶのはマイルズにとっては地雷以外の何者でもない。

子供たちの一撃を喰らい、古代の魔術師の姦計は完全に瓦解した。“デイウォーカー”の身体からダークフォース・ディメンションの力が吹き出し、憑依も維持できなくなってしまうではないか。それはヴァルネがこの状況を予測できていなかったための油断が齎した結果だと言わざるを得ない。ヒーローたちの強さを甘く見ていただけでなく、懐柔に失敗したブリエルのことを最後まで舐めていたことが、最初のヴァンパイアの敗因だったのだ。

ヴァルネの力が弱まったのを察知したドゥームは、間髪入れずにエネルギーの奔流を解放させた。虹色の光は暗黒に覆われていた空を照らし、ダークフォース・ディメンションの力もまた収束していく。ブレイドも瀕死の重傷を負いながらも、ヴァルネの支配から解放された。正しいことを成し遂げた娘の姿は、とても誇らしく見えたことだろう。

 

こうして、古代の魔術師が起こした一連の騒動は、首謀者であるヴァルネの敗北で幕を閉じた。だが、事件はまだ解決はしていない。ヴァルネはスカーレット・ウィッチに捕らえられたものの、世界にはダークフォース・ディメンションの余波が残っているだけでなく、マイルズをはじめとした吸血鬼化した者たちを元に戻す手段も見つかっていないからだ。そして、畳み掛けるようにヒーローたちに新たな脅威が迫ろうとしていた…。

ドクタードゥームが掲げる世界の救済は、未だ道半ば。“至高の魔術師”の称号を返すわけにはいかない。ドゥームが世界に齎す「救い」は、これから始まるのだ!

ダークヒーローが大好きな管理人にとってクロスオーバーイベント「ブラッドハント」は、「ダムネーション」以来の俺得イベントだった。他誌のストーリー展開に影響を与えるだけでなく懐かしいキャラクターたちも次々に登場し、しっかりと爪痕を残したからだ。イベント開始直後はブレイドが敵になったことに少なからずショックを覚えたが、真相が暴かれてホッとしたと同時にマイナーキャラクターをメインヴィランに据えた戦略には拍手を送りたい。

ヴァンパイアたちが起こした騒動はアベンジャーズやミッドナイト・ミッション、ドクターストレンジやスパイダーマン、ブリエル・ブルックスとドラキュラ伯爵、そして多くのヒーローたちの活躍で収束した。しかし、彼らが残した爪痕は最強のヴィランの台頭を許すことに繋がるのだった…。

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