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アメコミ:GUARDIANS OF THE GALAXY(2020)#15

全宇宙に迫る未曾有の危機。その正体は異次元からの「最後」の侵略だった!

 

 

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[あらすじ]

ドクタードゥームが語る宇宙の危機。宇宙の平穏を脅かす邪神たちが次々に活動を開始したことは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに少なくない衝撃を与えた。

彼の言うことはエゴ・ザ・リビング・プラネットの出現により真実であることが立証された。銀河評議会はクリー帝国とスクラル帝国の同盟軍と、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーをエゴ討伐への派遣を決定。

しかし、悪党であるドゥームを信じることができない男が1人。ノヴァ・プライムことリチャード・ライダーだ。彼と行動することを拒否したライダーは、スター・ロードと共にある場所へ向かう。宇宙に迫る「真」の脅威を見極めるために。

エゴ・ザ・リビング・プラネットは星を食い尽くす怪物、これを撃滅するには二大勢力の艦隊を動員する以外ない。しかし、当のエゴは10日間もの間沈黙を続けていた。黒く染まった不気味な惑星に緊張が高まるガーディアンズだが…。

[Hope You Survive the Experience]

ドクタードゥームの強襲という波乱の幕開けとなった第6期ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー誌最終シリーズは、その掴みは十分と言えただろう。ガーディアンズを圧倒する戦闘力だけでなく、ロケットと精神を入れ替えられることで無力化されるというオチと彼の魅力を1話だけで見せつけてくれたから。そんな彼もスター・ロードから勧誘され、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員に。ロケットの体では魔術を行使することも、アーマーの機能も使えない。それでもドゥームの持つ情報と知性は利用できる。使えるものは何でも使う、ある意味大人な判断ができるスター・ロードは、アウトローグループのリーダーらしいと言える。ガモーラをはじめとしたメンバーたちも、リーダーの発音に驚きはしたものの、直ぐに順応していった。

一方で、彼らとは対照的にドゥームに敵意を剥き出しにするのがノヴァだ。並々ならぬ正義感を持つライダーにとって、ドクタードゥームは唾棄すべき悪であり、彼と組むことなど考えられなかったからだ。これまでの彼の悪行を知っていれば、信じることができないのも無理はない。それでも、今はドゥームと争っている場合ではない。現に脅威が現れているのだから。へそを曲げるライダーを見かねたスター・ロードは、彼と共に地球へ向かう。そこにはガーディアンズも協力関係を結ぶある組織がいる。

スター・ロードたちが向かったのはS.W.O.R.D.が拠点とする宇宙ステーション。S.W.O.R.D.は経済・国際面から種族の支配を目論むミュータントたちだが、その方法は穏健かつ平和的なものだった。ガーディアンズのツートップを出迎えるアブリル・キンケイドとマグニートーだが、ライダーは彼が差し出した握手を拒否してしまう。

S.W.O.R.D.のメンバーにマグニートーがいることを知り、我慢の限界を超えたライダーは、あろうことかマグニートーにも敵意をぶつけてしまう。マグニートーことエリック・レーンシャーは己の野望のためにシーア帝国のエイリアンたちを利用し、使い潰した過去を持つ。ライダーはその事例を上げ、ヴィランとは手を組めないと宣言してしまったのだ。マグニートー自身はX-MENとの和解を機に、犯した罪を償うために行動している。彼がS.W.O.R.D.の長官の役職に就いているのもそれが理由だ。急進的かつ強引な方法ではなく、一歩ずつ緩やかに歩む方法を学んだのだから。

とはいえ、一方的にまくし立てる若造にいい気分はしない。エリックはライダーの「宣戦布告」に対し、“磁界王”としての実力を以て排除に応えるのだった。

ステーション内の自動車を磁力で操り、ノヴァを叩き潰さんとするマグニートー。“磁界王”の攻撃に怒るノヴァだが、先に喧嘩を吹っかけたのはお前さんだぞ。

突如勃発したマグニートーとノヴァの戦いに「子供みたい」と毒づくアブリルの評価は正しい。こんなことをしている間にも脅威は迫っている。戦っている場合ではないのだ。良くも悪くも己の感情に正直な2人が顔を合わせれば、こうなるのも無理はないかもしれないが。結局S.W.O.R.D.の初代長官としての権利を行使したアブリルが仲裁に入ることで、2人の戦いは終了。スター・ロードからも「頭を冷やせ」とたしなめられ、ばつの悪そうにマグニートーと場を移すライダーがツボにはまる。

最終シリーズに突入してまで何をやっているのかと頭を抱えたくなる管理人だが、ノヴァと言えばこの直情なスタイルこそが魅力だと思えば、この展開も頷ける。先程まで戦った相手と言葉を交わすことで、拳を治めてしまったからだ。天上から地球を見下ろし、種族の未来を憂うエリックの姿は暴虐な支配者のそれではない。ヴィランを信じることはできないが、少なくともマグニートーのことは信じられる。それは全てのヒトを信じることができないマグニートーも同様だったようだ。

学び、育ち、進化する。マグニートーがS.W.O.R.D.へ転向したのも、長い年月をかけて物事の善悪を見極めてきたから。ではドクタードゥームもそうなのかと考えるライダーだが、エリックとしても彼がヒーローになるとは考えにくいようだ。先程までの険悪な雰囲気が嘘のように、会話を弾ませるのだった。

 

管理人はいまどきジャ〇プでもやらないこってこての少年マンガ的展開を、若者と老人が繰り広げるという中々に味わい深い描写に苦笑が浮かんだものだが、この2人の対話がガーディアンズ・オブ・ギャラクシー誌の決着に影響を与えるのだから侮れない。つくづくアル・ユーイングの物語の構成力には舌を巻く。

そして、このまま穏やかな締めで終わらせる訳もない。ノヴァがマグニートーと和解している間に、遂に「真」の脅威が現れたからだ!

沈黙を続けていたエゴから聞こえる「声」は、エゴのものではない。漆黒に染まっていた地表が剥がれ、そこから現れた声の主の正体はダークディメンションの支配者ドーマムゥ!

次号、ラスト・アニヒレーション編開幕!