怪力を誇る狂気の科学者に復讐の精霊が裁きを与える!
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【あらすじ】
デスウォッチやブラックアウトとの戦いを終えてから暫くたった頃、ブルックリンには1人の守護者がいた。ゴーストライダー。殺人ガスを巡る騒動が収まったら、今度は子供の失踪事件が多発するこの街でギャングやマフィア、ヴィランたちから罪なき人々を護る為に彼は今夜も戦っていた。しかし、ライダーの力に未だに恐怖心を抱いていたダニーはライダーに変身する鍵となるバイクの破棄を決意する。
同じ頃には、ドクター・ザボーがギャングたちと小競り合いからの暴行事件を起こしていた。ザボーには裏の顔がある。急いで彼らを止めなくては!
【裏の顔にどう向き合うか】
今回のゴーストライダーの相手は、自身に実験を施したことで怪力を誇る別人格を植え付けた狂気の科学者ミスターハイドことドクター・ザボー。
己の能力に絶対の自信を持ち、実験の成果を上げるためならどんなに非道なことでも平気で行うサイコ野郎だ…、なんだかドックオクと被るな(何だと貴様!私をこんな奴と一緒にするな!)。
そんなザボーは実験の成果である裏に顔である、ミスターハイドの力に酔いしれ、力を持たない表の顔でいる時でも自分は強い、と粗暴に振る舞っていた。なんとまあ小さい男だ。
一方、ダニーはゴーストライダーへの恐怖心を捨てておらず、自分でも無意識に変身してしまうなどライダーの力に依存する自分自身を嫌悪してしまう。やがてゴーストライダーの変身の鍵である(と当時は思われていた)バイクを捨てる決意を固める。とはいえ簡単に捨てることはできないので、友人が働くガレージに放置するだけに留めようとする辺りがダニーが普通の感性を持つ人間だということを強調しているように見える。
人のそれを上回る力を持つ2人は、己が持つ力に対する向き合い方は対照的だ。
ギャングたちと小競り合いを起こし、偶然にもバイクを捨てに来たダニーがいるガレージにザボーとギャングたちがやってきたことで事態は一変。ダニーの友人は怪我を負わされるわ、追い詰められたザボーがミスターハイドに変身してギャングたちに襲い掛かるわ、何も知らないアベックが巻き込まれるわで静かな夜のガレージは騒然。
こうなってはゴーストライダーの力に頼らざるを得ない。
ダニーの怒りと焦燥感を感じ取って自動的に変形したバイクに跨り、ゴーストライダーが暴れ狂うミスターハイドに突撃する。
単純な力比べではミスターハイドに分があるかもしれない。しかし、ゴーストライダーには罪人の魂を焼き尽くすペナンス・ステアがある。
ライダーの“眼”を見てしまったミスターハイドは悶絶。咄嗟に逃げ出すミスターハイドに追撃のライダーブレイクをぶちかますゴーストライダーの容赦の無さは流石と言える。
結局ミスターハイドは取り逃がしてしまうが、友人やギャングたちの命は護ることができた。このブルックリンにはデスウォッチやブラックアウト以外にも数多くの悪意が潜んでいること、ゴーストライダーの力がこの街には必要なことをダニーは再認識せざるを得ないだろう。
戦いを終えて変身を解いたダニーの表情は暗い。しかし、そんなダニーを嘲笑うかのように次の悪意がブルックリンに現れようとしていた。