宿敵との共同作戦!
異空間から脱出せよ!
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【あらすじ】
異空間でのストレンジらアベンジャーズとシュマゴラスとの戦いに乱入したドーマムゥは一連の事件の事の始まりを語る。全てはストレンジがラスベガスを魔術で元の姿に戻した際に発生した次元をも越える力が発生し、それに自分を含むヘルロードが巻き込まれたことが始まりだと言う。次元を超えることが出来るのはただ1人。勝ったのはメフィスト。敗者たちは纏めて異世界に取り残されてしまったのだ。
ドーマムゥはメフィストを倒すためにストレンジに協力を求める話をしに来たのだが、ストレンジは…。
【騙し騙され】
シュマゴラスを撃退し、ナイトメアに手出しできないように牽制(という名の出番全カット)したドーマムゥはストレンジに協力を求めるが、ストレンジは首を縦に振らない。協力を求めてくる相手がよりにもよって過去に何度も命のやり取りした宿敵であるのも勿論だが、ついさっきにメフィストに嵌められ酷い目にあってきたのだから、ドーマムゥの話を信じることは出来ないのは無理もない。
悪魔は平気で噓を付き、裏切る存在だから。
しかし、このままメフィストにやられっぱなしでは気が済まないドーマムゥは敵意を剝き出しにするストレンジに「このままここに居ても仕様がない。賢い君ならそのくらいは分かると思うがね?」と皮肉と煽りを交えながら意固地なストレンジを追い込む。
互いの意見が平行線な状態が続く中、一石を投じたのはジェーンだった。
今はこの悪魔と協力してでも脱出し、ラスベガスに居座るメフィストを倒すのが先だ、と。ジェーンの仲介もあってドーマムゥからメフィストを倒すまでは裏切ることはしない、と言質を貰ったストレンジはドーマムゥと協力することを決めた…、ジェーンがいてくれてよかった。
撃退したはずのシュマゴラスとナイトメアの軍勢が押し寄せる中、2人はお互いの魔術を使ってゲートを作る。だが、このゲートは魂1人分が通れるのが精一杯の小さなゲートだ。ストレンジとアベンジャーズは先ずはストレンジ1人が脱出し、何とかメフィストを倒しアベンジャーズを解放するという綱渡りな作戦を立てていた。しかし、そこにストレンジに襲い掛かるのはドーマムゥ。自分が脱出し、メフィストに復讐するだけでなく邪魔者がいない地球を制圧しようと考えていたのだろう。
そんな邪な考えを、ドクターストレンジが見逃すはずがない。
ドーマムゥはストレンジに一切の手出しをしないという約束を破ったのだから、自分たちも攻撃しても構わない。子供の言い合いのようなやり取りだが、散々メフィストにいいようにされてきたストレンジが悪魔を出し抜いた、という事実は大きい。
怒り狂うドーマムゥを尻目にシュマゴラスをアベンジャーズに任せて脱出するストレンジ。戦いはこれからだ。
【メフィストでも奪えなかったモノ】
ラスベガスでの戦いが終わり、クレアと食事をするストレンジ。
本物のクレアに今回の事件の経緯と顛末を語るストレンジは、自分が弱かったためにメフィストが突き入る隙を与えてしまった、こんな自分は魔術師失格だと自らに絶対の自信を持つストレンジらしくない弱音をこぼしてしまう。
そんなストレンジは見たくないクレアは、優しくも厳しくかつての師であり恋人を慰める。起こした事は取り消せないし、振り返っても奪われたものは帰ってこない。
自分に執着する前に、貴方が大事に想う人に会いに行くべきだ、とクレアは言う。ストレンジはメフィストに自分は独りだ、周りには誰もいないと言い続けてきた。そんなストレンジを嘲笑い、メフィストはストレンジの仲間たちに襲い掛かった。
だが、メフィストは一つだけ見落としていた。というよりもストレンジが無意識ながらも守り抜いたのだ。自分の周りには自分の力だけを求めてくる者が多い。しかし、そんな者ばかりではない。
ストレンジの日常を象徴する女だけは悪魔の魔手から守り抜いた。
かつての主を迎えるボロボロのサンクタムトラムに日が差す。少しずつでも立ち上がる男の姿は、等身大の1人の人間なのだということを再認識させてくれる。