レーダーセンス覚醒!彼には、目に見えない悪が見える。
というわけで、今回は映画版デアデビルのレビューだ。
映画版デアデビルは2003年に公開された映画で主役のデアデビル/マット・マードックをベン・アフレック、ヒロインのエレクトラ・ナチオスをジェニファー・ガーナーが演じたことで有名な作品だ。
他にもヴィランのブルズアイをコリン・ファレルが、ラスボスのキングピンを故マイケル・クラーク・ダンカンが、マットの親友のフォギー・ネルソンをMCUでもお馴染みのジョン・ファヴローが演じているという現在から見ても豪華なメンバーが目白押し。
制作にはデアデビルのメインライターを務めたフランク・ミラーも関わっており、かなり気合いの入った作品だったように見える。当然、故スタン・リーもカメオ出演している。
ストーリーは少年期に事故に巻き込まれて視力を失い盲目となったマットが、音や振動の反響から三次元のイメージを捉える超感覚レーダーセンスを得て、昼間は弁護士として法廷に立ち虐げられる弱者の弁護をし、夜間は法で裁けない悪を恐れ知らずの男‘’デアデビル”として生死を問わず断罪する。
パルクールや父親譲りの格闘センスで培った体術と普段は杖として使うビリークラブを駆使してヘルズキッチンを駆ける、というもの。
00年代はサム・ライミ版スパイダーマンやX-MENのヒットとマーベルコミックが原作のヒーロー映画が大ブレイクした時代、そんな中公開されたデアデビルだが、評価は散々だったらしい。
終始暗い展開と画面が続き、マットの心境の変化が伝わりづらいということが批判される主な理由なようだ。
確かにデアデビルが活躍する時間は夜だから画面は真っ暗だし、後半のぎゅうぎゅうに圧縮された怒涛の展開から何故マットは心変わりしたのかが分かりづらい。
だが、見どころは多い作品だ。
デアデビルのレーダーセンスの映画的表現やビリークラブを用いたアクションは見事だし、ブルズアイとの対決は非常に燃える。BGMの
マットとエレクトラの出会いと別れも、役者同士が当時恋仲だったこともあり真に迫って演じているように見えた。
キングピンとのラストバトルも短いながらもキングピンの恐ろしさを全面に押し出しているのもいい。デアデビルが来るのをアジトで待ち構える堂々とした姿もカッコいい。
現在、映画版デアデビルは後に制作されたネットフリックス版デアデビルと共にディズニープラスにて配信中だ。
両作品を見比べてみるのも面白いだろう。