ジョニー・ブレイズvsダニー・ケッチ、悪魔の呪いに翻弄されてきたゴーストライダーの骨肉相食む戦いが再び始まる。
前回はこちらから↓
【あらすじ】
ダニーと別れたジョニーは1人街を歩いていた。獲物を探すハンターのように、地獄から逃亡した悪魔達を探していた。やがて、捕らえた悪魔から逃亡した悪魔達が集合する場所を聞き出した。
一方、ダニーは前日の亡くなったはずの母の言葉が頭から離れず苦悩していた。母の言葉の意味とは何か、自分はどうするべきなのか恋人のステイシーに打ち明けてもなにも解決しない。
そうこうしているうちに、近隣の埠頭に停泊中のフェリーが爆発、炎上したことを耳にする。いてもたってもいられずに変身し、現場に向かうダニー。
そこには人間達を次々に虐殺するゴーストライダー、ジョニーの変わり果てた姿があった。
【自分の在り方に悩むダニー】
前回ジョニーの協力の申し出を断ったダニー。ジョニーは地獄の王として、復讐の精霊としての使命を果たさんとしている。
しかしダニーにはそういった覚悟はない。ダニーは復讐の精霊として戦うことを嫌がっていた。復讐の精霊となった日からずっと戦い続けてきた彼は、今や戦いを避け自由に生きたいと考えていた。
しかし、ヒーローとしての性か危機を前に黙って見過ごすこともできない。
戦いを避けたい気持ちと悪を許さない気持ちとに板挟みにされ、どうすればいいのかわからなくなる。
ジョニーと比べるとダニーは弱い人間に見えるが、この弱さが彼の持ち味だ。
【地獄の王】
フェリーに乗り込んだジョニーは乗客を次々と地獄の炎で焼き尽くす。許しを請う声に耳を貸さないその姿は非常に恐ろしい。
勿論、ジョニーがこんなことをするのは乗客達は人間に化けていた悪魔達だからだ。地獄の掟を破った平悪魔に慈悲などかけない。まさに地獄の王にふさわしい。
だが、周囲の被害を顧みずに破壊を続ける姿は、やはりヒーローのそれではない。
長く地獄にいたために思考まで悪魔のそれになってしまったのか…。
【ライダーバトル、再び】
凄惨な場を目の当たりにしたダニーはジョニーを止めようとする。ダニーの目には襲われている悪魔達は普通の人間にしか見えなかったからだ。
乗客を逃がすダニーに憤るジョニー。
「そいつらは王に背いた罪人だ」「戦いたくないならひっこんでいろと言ったはずだ」
罵倒を浴びせながら自分の正当性を主張するジョニーだが、ダニーには変わり果てた兄の行いを見逃せるはずがない。
ダニーも以前、ジョニーと同じように他者から与えられた使命により暴走し、多くの犠牲者を出したことがあったからだ。
同じ悲劇を繰り返すわけにはいかない。
復讐の精霊は地獄の王に戦いを挑む。
【慈悲の心】
激しい戦いを制したのはジョニーだった。ヘルファイアを纏った鎖でダニーのヘルサイクルをバラバラに破壊し、首を締め上げる。
トドメを刺すのかと思いきや、ジョニーはダニーのパワー、復讐の精霊の呪いを吸収する。
「これでお前は普通に、自由に過ごせる」
復讐の精霊に目覚めてからこれまで散々な目にあい、大切なものを沢山失ってきたダニー。そんなダニーを想ってか、力を奪い自由を楽しめと言うジョニー。
それは僅かに残った弟への慈悲の心だったのだろう。邪魔されたくないという考えもあったのだろうが。
ブルックリン橋から川に落とされるダニー。地獄の王を止めることはできないのか…。